毎度ありがとうございます!
怖い話しをするには、時期的にまだ少し早い気もしますけど、これは先日の夜の出来事です。
その日はなんとなく真っ直ぐに家には帰りたくない夜で、いつもの居酒屋で一杯ひっかけてから
代行に乗って帰宅することにしたんです。
時刻は深夜0時ちょうどでした。
市内とはいえ、田舎のましてや深夜の車通りは極端に少なく、随分と先の信号で止まっている
一台の軽自動車が自分の視界に入っていました。
信号が青に変わっても、うしろについた車がパッシングしたりクラクションを鳴らしても
その軽自動車はまったく動かず、みな追い越していく様子もずっと見えていました。
信号の停止位置にエンジンがかかったままライトも点けっぱなしで、まったく動かないんですよ。
「なんだ?あの車?」と助手席でつぶやくと、代行の兄ちゃんが
「誰も乗ってないみたいっすね。」
「なーんだ。故障かなんかで運転手が車から降りて、その辺で電話でもかけてるんだろう。」
なんて言いながら、結局は自分の車も青信号に変わってその車を追い越すことになったんです。
で、その追い越しざまに運転席をチラっと見てみると・・・
両手でハンドルを握ったまま、頭をうなだれて乗っている女性の姿が見えたんですよ!
頭がうなだれていたためヘッドレスが邪魔して、後方から見ると
誰も乗っていないように見えたんですよね。
「おい!運転手乗ってんじゃん!えっ?どういうことよ?」
「さぁ、自分にはわからないっすねぇ。」
「まさか、死んでるんじゃないだろうな。」
「えっ、ま、まさか。」
「あんな格好でクラクション鳴らされても気づかないなんて、心臓発作かなんかで死んでるんじゃ・・・」
「や、やめてくださいよ。」
「なんだよ、あの車。気持ち悪りーな。」
なんて会話をしながら自宅に戻ったんですけど、もう気になって気になって、
まだ起きていたカミさんに一部始終を話して、もう一回戻って見てこようと提案します。
「えー、いやだー。ただ、寝てるんじゃない?」
「お前さ、もしも寝てるとして、あとからあとから来る後続車にクラクション鳴らされても
起きないなんてことありえるか?」
「もう!じゃあ、ちょっと着替えるから待っててよ。」
「お前さ、一刻を争うんだから着替えなんていいんだよ!」
なんて言いながら、嫌がるカミさんと息子も一緒にさっきの交差点に向かいます。
「もしも、死んでたらどうすんの?」とビビッている息子の質問には答えずに交差点に差し掛かると、
まだ、あの軽自動車がライトを点けたままポツンと交差点に停まっていました。
青信号で向かい側からゆっくりと車に近づいて、すれ違いざまに運転席を覗くと、
まだあの女性が両手でハンドルを持ったまま頭を垂れ突っ伏している姿が見えたんですよね。
「うわっ!本当に乗ってるよ、女の人が!」
「うるさいな!びっくりするからデカイ声出すなよ!」などと息子と言い争っていると、
いきなり車をUターンさせたカミさんが「お父さん!今すぐ110番して!」と急に看護師モードに。
酔っ払ってるうえにカミさんのひと言で気が動転して、なかなか警察につながらないんですよ。
「えっと、スマホからってどうやってかけるんだっけ?市外局番に110番だっけ?」
なんてグダグダになりながらも、ようやくつながった警察に場所を尋ねられ
「稲生町にある葬儀場アークベルの前の交差点ですよ!」
なんて説明しても、一向に伝わらないんでこっちもイライラするわけです。
「だからアークベルの交差点ですって。女の人が乗ったまま動かないんですよ!」
「そこ、プリエール(葬儀場)でなくって?」
「あ!そうそうプリエールだわ、ここ。スイマセンです。」
だ、か、ら、酔っぱらって110番するもんじゃありません。
警察とコントみたいな電話をしている間、カミさんが運転席の窓をバンバン叩いて
「大丈夫ですか!!聞こえますか!!」なんてやってるんですよ。
代行に乗って自分が確認してから、もうすでに30分近く経過しています。
やっぱりもう死んでるんじゃ・・・
なんて思っていたら、カミさんが「あっ!起きた!起きた!」
「えっ!起きたの?」なんて、またまた急展開。
「大丈夫ですか!少し窓を開けてください!」
「あぁ・・・はい、スイマセン・・・」
「大丈夫ですか。心配して警察に連絡しましたから、このまま待っていてください。」
「あぁ、もう大丈夫ですから。わたし・・・寝てしまって。」
生きてたのはよかったけど、こんなところでしかも30分以上寝るなんて、
これは飲酒で運転してきて、ここで力尽きたんじゃないのかな、なんて勝手に推理します。
程なくして警察が到着。
「えっと、通報してくださったのはご主人?」
「ハイ、ワタクシデアリマス。」
「状況を教えてください。」
と事情聴取されてる間に、運転手本人への聞き取りが始まります。
「わたし、疲れて寝てしまったみたいで。」
「いくら疲れたとはいえ、30分も交差点でハンドルを持ったまま寝るっていうのは・・・」
なんて警察官に促されアルコール検知やら何やらをやってる様子。
ま、結果的には、親の介護に行っていて自宅に戻る帰り道に、
あまりに疲れて寝てしまった、というのが真実のようでして。
そんなにガッツリ寝ます?普通。しかもハンドル握ったまま。
ただ、想像していた最悪の事態にならず、本当によかったですけど。
でもね、やっぱり怖かったですよ。
そんな、先日の夜の出来事でした。
あの車、もしもシフトがPでなくDに入ってたら、どうなってたんでしょうかね。
それもまた怖い想像です。
今日の鶴岡は30度越えの予報です。
無理せずきちんと休憩をとって、交差点で寝るのは絶対にやめましょう。
コメント
1. 疲れ過ぎの運転はアカンです
何かしら事故があって、ニュースになったら後悔してしまいますもの。
でも……私だったら声をかけづらいかな………怖くて。
疲れといえば、最近は通勤退勤時に電車内でスマホを弄ったまま寝落ちしています。不思議な事にスマホは落とさないんです。
2. >しんさん
逆に、よくあそこまで走ってきたなと。
よっぽど疲れていたんでしょうね。
大きな事故にならずよかったです。
夏の予定も少しづつ決まりかけてきました。
帰省する娘を埼玉に送るかどうかがカギとなりそうです(笑
3. 無題
何も無くて良かったですよ。
俺も2年前の正月に同じ様な体験しました。
こちらは日中だったんですが、デイケアのワゴンが信号青でも全然動かなくて、俺も横についてみたんです。
そしたら、運転手のおじいちゃんがグッタリしていたんですよね。
慌てて車降りて、ドア叩いたんです!
そしたら同じく、疲れて寝てしまったようで…(笑)
俺も死んでると思いました。
ただ、咄嗟に出た自分の行動力に関心しましたけどね(笑)
自画自賛のお話でしたm(_ _)m
4. >タムちゃん
逆に、夜中とはいえ30分以上もそのままだなんて、
ちょっと信じられなくないですか。
みんな無関心なのか、それとも先を急ぐのか。
お互いに何もなくてよかったですよ。
世知辛い世の中ですけど、咄嗟に動ける熱血漢でいましょうよ。
いや、オレの場合はカミさん同伴型かな(笑