『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

沼津放浪記②
毎度ありがとうございます!

勝利の美酒で盛り上がった保護者の皆さんと一人別れ、ここから酔い覚ましをかねて
少し街を散策してみます。

酔っ払いあるあるですけど、酔うとびっくりするくらいの距離を歩けちゃったりするんですよね。

で、結論から言うと、この夜は、このままセカンドバックに裸足にビーサン履いて、
とても観光客には見えない扮装(いでたち)で、結局1時間も歩き続けます(笑
鶴岡ではすぐそこのコンビにまででも車で行く生活の人が、酔って1時間も歩き続けるんですから
酒の力というものは計り知れないものがありますよね(笑

それには実は理由があって、みなさんと別れたあとに行こうとしていたお店があったんですね。
「居酒屋 飛騨」というところで、おでんと飛騨牛を堪能できるお店でして、
鶴岡にいる時点から絶対に行こうと心に決めていたお店でした。

がしかし、ハイペース&ハイボールの影響で、すでに足は千鳥足。
こりゃイカンと、すかさずグーグルマップに「沼津市、居酒屋、飛騨!」と話しかけ、
お店まで矢印でガイドしてもらいます。

これで安心・・・と思いきや、なんだろうな歩くペースが遅いのか、現在地点をはっきりと
認識していないのか、ワケ分からん方向に向かっている気になってくるわけですよ。
スマホはホッカイロかよ!ってくらいに熱くなってるし、熱暴走の影響なのか
重くてカクカクして一向に矢印が動かないんですよね。

酔っ払っているうえに、スマホの画面をひっくり返したりとっくり返したりして歩いて
「目的地周辺です。お疲れさまでした。」と案内が終了した場所をふと見上げると、
そこは真っ暗なJRの駅の倉庫だったりするわけですよ。

ここはどう見ても違うよなぁ。。。
フン!こんなこともあろうかと、次に行きたいお店もピックアップしてたんだっつうの!
というわけで、懲りもせずホッカイロみたいに熱っついスマホに向かって今度は
「沼津市 おでん 鶏男(バードメン)!」と叫びます。

祝勝会会場の「うお鶏」からは、何もなければ10分もかからず着くはずの「飛騨」に、
30分以上も歩いてなお目的地に辿り着かない酔っ払いが、そこからさらに歩いて
重たくて使えないスマホ片手に500m先の「鶏男」まで何分かかると思いますか?

そうです。
正解は「辿り着きません。」

なぜかというと、あちこち歩いているうちに、おでんじゃなくていいやってなっちゃって(笑
だって、どこ歩いてるんだかさっぱりわからないんだもん。

で、どこかのアーケードにある中華料理居酒屋みたいなところに飛び込んで、
とりあえず烏龍ハイで一息入れることにしました。

店員さんもカタコトの日本語で「オリョウリハ、ナンニシマスカ。」と聞いてくるので、
とりあえず「酢モツ」と「やきとりの盛り合わせ」をオーダーしたんですよ。

そしたら「ヤキトリハ、ナニアジニシマスカ。シオ?タレ?クミン?」
「クミン?」なんか聞いたことある名前です。
カレーか何かのスパイスだったっけ?
 
「じゃ、クミンで。」
ここでクミンを知らない人が、クミン味のやきとりをオーダーします。
で、クミンとやらがたっぷりと振りかかった串5本が提供されます。

うーん、もうね、運んでくる時点で何ともいえない漢方みたいな苦辛いような匂いと
一口目から咳き込むような粉っぽさ満点の焼やきとりが見えてましたもんね。

勝手にカレーっぽい味だろうなと決め付けていた自分の勘違いなわけですけど、
初めて口にする何とも言えない摩訶不思議なお味でした、よく言えばね。
正確には、食べ慣れていない香辛料が大量にかかったやきとりを食って、
胃が逆流してくるのが自分でも分かります。

自分でも忘れてましたけど、昨夜鶴岡をバスで出発して、一睡もできずに球場に着いて
カメラ片手にこの日だけで300枚以上もシャッターを押し続け、サッとシャワーを浴びただけで
ハイボールを10杯以上飲み、ここまで1時間も知らない土地をさまよい歩いた末に、
今、生まれて初めて口にする不思議な香辛料たっぷりのやきとりを食ったわけですよ。

普通は、ここでリバースして終了でしょう。

が、酔っ払ってぶっ壊れたオヤジは、ここから北口の宿泊するホテルまで、
また1時間もさまよい歩いて行くことになります。

南口から北口に抜ける人通り少ない寂しい地下道をフラフラと歩いて、出た先には
南口の繁華街とは一変し、怪しくチープな雰囲気が漂う北口独特の昭和な匂い漂う
盛り場がぽっかりと口を開けて待っていたからなんですよね。

アジアンエステやリンパマッサージなど、正統派なのかあっち系なのかよく分からない
怪しいお店が立ち並び、一気に街の様子が変わると同時にシブい佇まいの横丁や
風に揺れるやきとり屋の赤提灯が酔った心をくすぐります。

結局、ホテル到着が23時。
6時間の自由時間でお邪魔したお店はたったの3軒。

そのほとんどを歩いて、ただ歩いて一日目の夜が終了したのでした。

 
 
・・・つづく。
 
 

 

 







コメント

1. 酔って彷徨う

酔ってると、場所の把握ができないですよねぇ……この間の付き添いで病院から帰る時も、どこなんだか、駅はどっちか分からないままに歩いて、ようやくタクシーを拾って帰れたという……後でGoogle Mapのタイムラインで確認したら、かなり彷徨ってました……。

沼津も駅の北と南では酒場の雰囲気が違うのですね。
クミンというと中国朝鮮族の羊串を思い出します。
料理の仕方だと思うんですが、羊串は美味しかったです。

脚が痛いのにおかやんを皮切りに飲み屋に振られ続け、一時間も歩きました……。

2. >しんさん

クミン、はじめて口にしました(笑

コショウでもない山椒でもない、独特の味と匂いの香辛料ですね。
ちょっと胃袋がびっくりしてましたよ。

酔っ払って歩くのは、街の雰囲気も感じれていいんですけど
翌日、必ずマッサージに行きたくなるんですよね(笑

もう少し続きます。
お付き合いください。
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