毎度ありがとうございます!
その土地それぞれに「食文化」というものがあり、その地方に大きく根付いているものがあります。
それは食材や一品料理に限らず、調味料でや味付けでも言えることでしょう。
たとえば、とんこつラーメンで有名な博多でこれからラーメン屋を始めるとして、
山形ではポピュラーな醤油ラーメン一本のお店を出店したら、成功するでしょうか。
たとえば、内陸で食べる芋煮は牛肉に醤油ベースですが、庄内風の豚肉の味噌ベースを
内陸のお店の看板メニューにして流行るでしょうか。
たとえば今、鶴岡に旨いジンギスカンを食わせるお店がないからといって、北海道で当たり前の
ジンギスカン屋を始めたら、この先10年そのお店は継続できるでしょうか。
ひと昔前に流行った牛の「モツ鍋」ですけど、いま鶴岡で本格的なモツ鍋屋ってありますか?
庄内は豚文化、内陸は牛文化です。
鶴岡は鮮度のいい牛モツ自体があまり流通していませんから、仕入れの問題もそこにはあるわけです。
そういった諸問題をクリアすれば、新しい味覚と新しい食材に、バズる可能性はあるでしょう。
いまや牛や豚など、クオリティにこだわらなければ、どこでも食べることはできます。
全国どこでも、どこのお店でも同じようなものが食べることはできるけれども、
しっかりとその土地に定着して10年その商売で食っていけるかどうかは
それが目新しいものであればあるほどリスクがあるわけですよね。
さて、10年後の鶴岡でタピオカ屋は残っているでしょうか。
いわゆるそれを「ビジネスチャンス」と考えるか「ビジネスリスク」と捉えるか、
これから商売を始めるにあたって、そこの見極めが非常に難しい判断になってきます。
内陸のごく一部の地域で旨い「やきとん」を食わせるお店がないからといって、
すぐにビジネスチャンスと考えるのはちょっと危険な気がします。
旨いやきとんを出せないのは、鮮度のいい豚モツが流通していないからかもしれないし、
そもそも豚の内臓そのものをあまり食べない食文化なのかもしれません。
実際にはよく分かりませんよ、今の自分には。調べてもいませんし。
鶴岡からわざわざ保冷車で豚の内臓を取り寄せても、必ず鮮度は落ちます。
精肉と違って臭いや痛みが早いため、冷蔵輸送ではなく冷凍輸送になる可能性もあります。
そこまでして、さらに借金までしてお店を出して勝算はあるのかを考えなくてはなりません。
実際に、あるかもしれませんけどね。
でも、ないのかもしれません。
その答えは自分にもわかりませんし、それは誰にもわからないはずです。
その商売をやりたいという情熱が、そういったハードルを乗り越えてその土地のパイオニア店に
なる可能性もあるわけだし、受け入れられずにあっさりと潰れてしまう可能性もあるわけです。
そのために、入念な準備とたくさんの情報、そして人脈が必要となってくるわけです。
全く知らない土地で商売を始めるうえで、開店までだって多くの業者や職人のチカラが必要になります。
大工、電気屋、設備屋、看板屋、内装屋、塗装屋、厨房器具屋、おしぼり屋、玄関マット屋、
さらに肉の仕入業者に食材屋と酒屋は毎日の付き合いになってきます。
そしてテナントの大家さんも実は一番大事で、その関係が良くないと商売に支障が出ます。
そのすべてはお金が絡んできますから、誰にも相手にされないということは勿論ありません。
ただ、心意気で安くやってもらえるか、当たり前の仕事で終わるかはわかりませんけど。
いい業者と出会うかもしれませんし、全く知らない業者にぼられる可能性だってあります。
それはそうでしょう。
知らない土地で、まったく信用がないゼロなんだから。
提供したいモノや店舗スタイルにばかりこだわるのではなく、もっと大きい視野で全体を見渡しながら、
さまざまな可能性とさまざまなリスクを想定しながら、開業に向けて準備していかなくてはなりません。
根拠のない自信は「過信」と言います。
商売をやったことのない人にいくら説いても理解してもらえなくて当たり前。
それが身内ならば、なおのこと心配するのが当たり前です。
飲食店は2年で50%、3年で70%が潰れると言われています。
鶴岡のような地方ではその数字はちょっと大袈裟ですけど、5年前にあったお店が
すでにいくつも閉店しているのも事実です。
5年前の「庄内小僧」なんかの地方情報誌をいま見てみてください。
年末忘年会特集の記事なんて、居酒屋もラーメン屋もすでにないお店がいかに多いことか。
それでも、商売はやってみなければ分からないものなのは確かです。
そこにビックチャンスもあるわけだし、逆に絶対に成功する商売なんてひとつもありません。
自己資金の準備と入念な情報収集、そして協力してもらえる人脈と、食材に対する知識と経験。
すでに不安で眠れない夜が襲ってくるのは当たり前ですよ。
商売を始めるということは、そういうものです。
かつての自分もそうでした。
自分は修行もしていないんですから。
よく今まで続いていると思います。
まだまだコロナの影響で客足が鈍く、そこにこの暑さも重なって自慢の煮こみが出ません。
例年だと6月中に販売終了していますから、少し早いですけど今年はそろそろメニューから
外そうかなと思っています。
4名さま以上の団体のご予約で、煮こみの要望があればもちろん作ります。
昔は一年中煮こみを提供していたこともあったんですけどね。
廃棄ロスに耐えられなくて、季節販売に切り替えてもう10年以上になります。
それもやってみて始めて気づかされたこと。
理想と現実とのギャップというやつですかね。
こればっかりは「気合い」だけではどうにもなりません。
さて、今日の鶴岡は昨日に続き30℃を越す暑さになりそうです。
熱中症に注意して小まめな水分補給を忘れずに。
今日はここまでにしておきます。
ではまた。
その土地それぞれに「食文化」というものがあり、その地方に大きく根付いているものがあります。
それは食材や一品料理に限らず、調味料でや味付けでも言えることでしょう。
たとえば、とんこつラーメンで有名な博多でこれからラーメン屋を始めるとして、
山形ではポピュラーな醤油ラーメン一本のお店を出店したら、成功するでしょうか。
たとえば、内陸で食べる芋煮は牛肉に醤油ベースですが、庄内風の豚肉の味噌ベースを
内陸のお店の看板メニューにして流行るでしょうか。
たとえば今、鶴岡に旨いジンギスカンを食わせるお店がないからといって、北海道で当たり前の
ジンギスカン屋を始めたら、この先10年そのお店は継続できるでしょうか。
ひと昔前に流行った牛の「モツ鍋」ですけど、いま鶴岡で本格的なモツ鍋屋ってありますか?
庄内は豚文化、内陸は牛文化です。
鶴岡は鮮度のいい牛モツ自体があまり流通していませんから、仕入れの問題もそこにはあるわけです。
そういった諸問題をクリアすれば、新しい味覚と新しい食材に、バズる可能性はあるでしょう。
いまや牛や豚など、クオリティにこだわらなければ、どこでも食べることはできます。
全国どこでも、どこのお店でも同じようなものが食べることはできるけれども、
しっかりとその土地に定着して10年その商売で食っていけるかどうかは
それが目新しいものであればあるほどリスクがあるわけですよね。
さて、10年後の鶴岡でタピオカ屋は残っているでしょうか。
いわゆるそれを「ビジネスチャンス」と考えるか「ビジネスリスク」と捉えるか、
これから商売を始めるにあたって、そこの見極めが非常に難しい判断になってきます。
内陸のごく一部の地域で旨い「やきとん」を食わせるお店がないからといって、
すぐにビジネスチャンスと考えるのはちょっと危険な気がします。
旨いやきとんを出せないのは、鮮度のいい豚モツが流通していないからかもしれないし、
そもそも豚の内臓そのものをあまり食べない食文化なのかもしれません。
実際にはよく分かりませんよ、今の自分には。調べてもいませんし。
鶴岡からわざわざ保冷車で豚の内臓を取り寄せても、必ず鮮度は落ちます。
精肉と違って臭いや痛みが早いため、冷蔵輸送ではなく冷凍輸送になる可能性もあります。
そこまでして、さらに借金までしてお店を出して勝算はあるのかを考えなくてはなりません。
実際に、あるかもしれませんけどね。
でも、ないのかもしれません。
その答えは自分にもわかりませんし、それは誰にもわからないはずです。
その商売をやりたいという情熱が、そういったハードルを乗り越えてその土地のパイオニア店に
なる可能性もあるわけだし、受け入れられずにあっさりと潰れてしまう可能性もあるわけです。
そのために、入念な準備とたくさんの情報、そして人脈が必要となってくるわけです。
全く知らない土地で商売を始めるうえで、開店までだって多くの業者や職人のチカラが必要になります。
大工、電気屋、設備屋、看板屋、内装屋、塗装屋、厨房器具屋、おしぼり屋、玄関マット屋、
さらに肉の仕入業者に食材屋と酒屋は毎日の付き合いになってきます。
そしてテナントの大家さんも実は一番大事で、その関係が良くないと商売に支障が出ます。
そのすべてはお金が絡んできますから、誰にも相手にされないということは勿論ありません。
ただ、心意気で安くやってもらえるか、当たり前の仕事で終わるかはわかりませんけど。
いい業者と出会うかもしれませんし、全く知らない業者にぼられる可能性だってあります。
それはそうでしょう。
知らない土地で、まったく信用がないゼロなんだから。
提供したいモノや店舗スタイルにばかりこだわるのではなく、もっと大きい視野で全体を見渡しながら、
さまざまな可能性とさまざまなリスクを想定しながら、開業に向けて準備していかなくてはなりません。
根拠のない自信は「過信」と言います。
商売をやったことのない人にいくら説いても理解してもらえなくて当たり前。
それが身内ならば、なおのこと心配するのが当たり前です。
飲食店は2年で50%、3年で70%が潰れると言われています。
鶴岡のような地方ではその数字はちょっと大袈裟ですけど、5年前にあったお店が
すでにいくつも閉店しているのも事実です。
5年前の「庄内小僧」なんかの地方情報誌をいま見てみてください。
年末忘年会特集の記事なんて、居酒屋もラーメン屋もすでにないお店がいかに多いことか。
それでも、商売はやってみなければ分からないものなのは確かです。
そこにビックチャンスもあるわけだし、逆に絶対に成功する商売なんてひとつもありません。
自己資金の準備と入念な情報収集、そして協力してもらえる人脈と、食材に対する知識と経験。
すでに不安で眠れない夜が襲ってくるのは当たり前ですよ。
商売を始めるということは、そういうものです。
かつての自分もそうでした。
自分は修行もしていないんですから。
よく今まで続いていると思います。
まだまだコロナの影響で客足が鈍く、そこにこの暑さも重なって自慢の煮こみが出ません。
例年だと6月中に販売終了していますから、少し早いですけど今年はそろそろメニューから
外そうかなと思っています。
4名さま以上の団体のご予約で、煮こみの要望があればもちろん作ります。
昔は一年中煮こみを提供していたこともあったんですけどね。
廃棄ロスに耐えられなくて、季節販売に切り替えてもう10年以上になります。
それもやってみて始めて気づかされたこと。
理想と現実とのギャップというやつですかね。
こればっかりは「気合い」だけではどうにもなりません。
さて、今日の鶴岡は昨日に続き30℃を越す暑さになりそうです。
熱中症に注意して小まめな水分補給を忘れずに。
今日はここまでにしておきます。
ではまた。
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