『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

親父の味
毎度ありがとうございます!

先日、先輩のマナブさんから「煮込みの作り方を教えてくれよ。」と言われ、
「いいですよ。どうしたんですか、急に。」なんて聞いたら、バレンタインデーで
娘さんや奥さんからチョコを貰ったお返しに、ホワイトデーで煮込みを作りたいんだそうで。

そのへんでクッキーを買ってきて渡すよりも、手間がかかるけど素敵なお返しだなぁと思って、
LINEで事細かにレシピを送ってあげました。

以前にも、神奈川にいる先輩に煮込みの作り方を教えてくれ!と聞かれて、
同じようにレシピを送ったのに、自分なりにアレンジしちゃって砂糖入れてた、なんて
ことがありましたんで、「まずはレシピに忠実に作ってみること。」を約束して、
それから自分流にアレンジしてみればいいんです。

一回ちゃんと作れば、なんとなく何が多くて何が足りなかったのかが分かってきます。
無事に完成して、夕食でみんなで食べて大好評だったそうです。
娘さんにも奥さんにも、思い出に残るお父さんの味になったんじゃないでしょうかね。

レシピを見ながら同じように作っても、実際はお店と同じ味には絶対になりません。
味噌の種類や醤油の種類も違うでしょうし、その分量も微妙に違うからです。

でも味のバランスや調味料の黄金比がパチッと決まって、お父さんの愛情がプラスされれば、
きっとお店以上に美味しい煮込みが出来上がるはずです。

炒めて終わりの野菜炒めなんかと違って、じっくりと時間がかかります。
汁が蒸発していないか定期的に鍋をかき回したりして、手間がかかります。
さらに、家の中が煮込みの匂いで充満します。

そうやって、やっとこさ出来上がるのが煮込みです。
しかも、普段は台所に立たないお父さんが一生懸命に作ったんですから
美味しくないはずがありませんよね。

自分が子供のころは、牛の第三胃袋(センマイ)を醤油とニンニクで煮込んだ
「なかにく」という牛モツ煮込みを親父がよく作ってくれてました。

大人になり、鶴岡に帰省すると電話を入れるたび「なに食いであんだ?」と一言だけ聞くんで、
「ながにぐ、食いでっちゃ。」というと、ぶっきらぼうに「わがった。」とだけ言って
ガチャンと電話を切る親父でした。

晩年は、夕食の献立を任されていた親父が、その時ばかりは財布のひもが緩くなり、
余計な買い物ばかりしてきたと、お袋が嘆いていたことを思い出します。

親父が亡くなり、お袋に「なかにく」を作ってくれとお願いしても、作り方がわからないと
我が家では、その後は一度も口にしたことがありません。
作り方を聞いておけばよかったと、今さらながら後悔しています。

あの家中にたちこむモツとニンニクの匂いが外まで匂ってきて、今日はなかにくだぁ!と
子供ながらにワクワクして夕飯を待っていたものです。
正直、お袋の作るカレーよりも好きでしたもんね(笑

まぁ、家族の思い出作りというよりも、どんどんお父さんにも台所に立ってほしいわけです。
たまに作るそのお父さんの味が、家族の絆をいっそう深めてくれるはずです。

マナブさんから送られてきた煮込み完成の写メに、仕上げのネギが
かかっていないことを指摘したら、すっかり忘れてたんだそうで、
それも笑って許せる逸品だと思います。

モツと大根の色を見れば、どのくらい煮込んだのかは
すぐに分かりますから。
 
是非、また頑張って作ってみてください。
さらに美味しいのが出来るでしょう。

今度は、坦々麺に挑戦してみましょうか。
あの、ホンジョウとユウキでさえも、家族を感動させた一品です。

あ、煮込み講師料は気を使わなくも結構ですからね(笑

コメント

1. 無題

オレの煮込みは現在、やんちゃより旨い。
レシピといっても酒と水の割合だけで、他はみんな少々じゃんか!その少々が素人は分からないんだなー・・・
この前は生モツで作ってみた!
今度、クリに味見してもらって勝負だ!
(笑)

2. >横浜連合さん

横浜連合さんに負けているのは、鍋だけですよ!(笑

生モツからいくとは、本格的ですね~
しかし、クリに煮込みの違いがわかりますかね。
いいモンばっか食ってるみたいですから、
味見の時にはナイフとフォークを出して
あげてください(笑

3. 無題

凄く温かいお話ですね!

俺も忘れられない親父の味があるんです。
母親が入院した時、父親が醤油ベースのすり身汁を作ったんですよね。
片栗粉が入っていて、とろみがあるすり身汁でした。
何時もは家事なんか一切やらない父親ですが、小学生の俺にはかなりの大事件で、うちの父親すり身汁作れるんだ!ってびっくりしたと同時に、カッコよく見えましたね。
実家に帰りたまにその話を父親にすると、「俺も少しは出来るんだぞ」って、少し照れ笑いしてます(笑)

俺も息子が大きくなったら、何か思い出に残る手料理に挑戦してみようかな(笑)

4. >タムちゃん

すり身汁、いい思い出ですね。

たまに作る親父料理だからこそ、子どもの記憶に
鮮明に思い出に残るんだと思います。

そのくらいでいいんですよ。
毎日作ってくれる奥さんには申し訳ないけど(笑

息子さんが大きくなったら、なにか作ってあげてくださいね。

ちなみに、ジンギスカンは、NGですから。
いくら「ベル」のタレでもww

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