『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

あの春。
毎度ありがとうございます!

今日は、自分が高校球児だったときの悔しい思い出を。

新チームになったばかりの高校2年の秋。
初めて手にする、伝統の縦縞のユニホームには背番号10が付いていました。
いわゆる補欠だったんです。

ひと冬が過ぎて3年生になり、平田杯や練習試合で結果を残して、
春季地区大会ではレギュラー番号の背番号3をもらったんです。
特待生でもない自分がレギュラー番号をもらったのが、ものすごくうれしくて、
寮の赤電話から「レギュラー獲ったよ。」と、実家に電話したんですよね。
普段は無口な親父が「山形市まで県大会の応援に行くから頑張れよ。」と、喜んでくれました。

で、山形市営球場で行われた春季県大会の初戦、相手は米沢興譲館でした。
スターティングメンバー発表の時、「6番ファースト、イシカワ」と名前を呼ばれたんです。
「オッシャー!!」なんて気合い入れて、1回の守備についたまではよかったんですけど、
先発した同級生ピッチャー、アイタの立ち上がりが悪く、四球・四球・死球・死球でいきなり1点献上。
たまらず、背番号10をつけた2年生エース、ハセガワがベンチから出てきたんですよ。

マウンドに集まる野手の円陣に加わったハセガワの手には、自分のグラブと左のファーストミットが。
「イシカワさん・・・アウトだそうです。」
「はぁ?・・・。けっ」

1回の表、まだノーアウト満塁ですよ。
ベンチにひっこむのに走る気力もなく、ふてくされて歩いて戻っている時にアナウンスが。
「鶴商学園高校のシートの変更をお知らせします。」
「ファーストのイシカワくんに代わりまして、ハセガワくんが入りピッチャーに。」
「ピッチャーのアイタくんがファーストに入ります。」

自分の代わりにファーストに入ったアイタの投手用グラブを持って、
守る事も打つ事もないまま1回の表でベンチに戻った自分は、そのままベンチに向かって、
アイタのグラブと自分のファーストミットをブン投げて、
ベンチのパイプ椅子を蹴飛ばして完全にキレれてしまったんです。
プロ野球ではよく見る光景なんですけど、高校野球の公式戦ですからねぇ。

三塁側のベンチの上に、他の父兄と並んで足を組んで座っている親父の姿を見つけたものの、
顔を上げる事ができなかったですね。

すぐにベンチ裏の選手控え室に連れて行かれて、
監督から胸ぐらを掴まれて「お前、なんだ!その態度は!」とグーでボッコボッコですよ。

それでも「じゃあ、なんで自分が背番号3なんスか?」
「そんなんだったら最初から一塁コーチャーやるんで、自分、背番号10番でいいですよ。」
なんて、生意気な口を返しちゃったんですよね。
それほど、あの交代は納得できなかったし、悔しかった。
eyes0169.jpg
「お前、誰にそんな口聞いてるのか、分かってるのか!!」
なんて鼻血が出るまでぶん殴られた後、
「そのままそこで、アタマ冷やしてろ。バカタレ!」と
畳の上にずっと正座させられてました。

鼻水と鼻血と悔し涙をこぼしながら正座し続け、試合も5回が終了したころに、
今は亡き部長先生が様子を見に来てくれて、
「チームのためなんだ。我慢しろ。」「さあ、みんなと一緒にベンチ入って応援しろ。」と
やさしく声を掛けてもらったんですよね。

監督さんにも当然考えがあったんでしょうし、チームが勝つことを考えての選手器用だったんだと、
大人になった今思えば理解出来る部分もあります。
何より、自分よりアイタの方が打撃がいいからという判断だったんですから、仕方ないですよね。

高校野球では絶対的存在でもある監督に口を返すなんて、
自分でも生意気な高校球児だったと思います。
それでも、あの時だけは感情を抑えれなかったんですよね。

そして、いよいよ夏の甲子園の県予選が始まるわけです。

・・・つづく。

コメント

コメントを書く