『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

サスペンス その1
毎度ありがとうございます!

久しぶりに、長編昔話をオチなしでひとつ。

これは今から17年前、とある金融系の会社に勤めていた頃、
函館から仙台の東北支社に支社長で転勤してきたときの話しです。

eyes0990.jpg当時、仙台にあった支店3店舗はどこも業績が悪かったため、
支社としての存続を賭けテコ入れを命じられて転勤してきました。

いろいろと調べてみると、まず契約書がいい加減なんですよ。
東北人の甘さと言うか情が厚いというか、保証人のない契約書やら
印鑑のない契約書やら身分証明書のコピーのない契約書やらが
ゴロゴロ出てくるんですよ。

聞けば、「後から印鑑持ってくるって言ってたんで。」とか
「保証人がいないんですよ。」とか信じられない答えが返ってくるわけです。

まぁ、当時は新規契約のノルマばかりで評価されてましたから、
少しくらい甘い契約でも、とりあえず新規を獲っとけば
一時シノギにはなってたのも、原因のひとつだったんですよね。

でも、そういういい加減な契約をした顧客に限って、後から焦げ付くもんなんです。
結果的に契約書もいい加減だから回収の詰めも甘くなる。
完全な悪循環に陥ってました。

そんな中、一枚の未回収カードに目がとまりまして。
「有限会社 橋下商事」と手書きで書かれた契約書には、
橋本の三文判が押してあるだけ。
コレが法人契約だって言うんだから、呆れてモノも言えない。

自分の勤めていた会社は表向きは携帯電話のリース業もやってたんですけど、
その橋下商事の取引内容を見ると、携帯電話5台をリースしているにもかかわらず、
1台も通話料金を払っていない事が判明。
当時はまだ携帯の基本料金が16000円だった時代でしたからね。
しかも、フリーローンキャッシングのほうも一度も返済実績がない。
すべて合計すると金額も相当額いってるわけです。

早速、仙台支店の支店長シライを呼んで契約時の事情を聞くと、
「ハシモトリョウコ」と名乗るその社長は、東京の有名タクシー会社の会長の隠し子で、
新規パチスロ店を立ち上げるために仙台に来て会社を設立したばかりなんだそうです。
不動産屋やパチスロ業者との打ち合わせに携帯電話が必要だったということと、
会社設立手続きがバタバタしてて、仮契約みたいな形から入ったんだと。

eyes0819.jpg「だったら、後から会社の登記簿謄本もらってあるんか?」
「すいません。もらってません。」
「じゃ、今からでもいいから登記簿謄本もらえ。
  それと会社の横判と代表印を押させろ。
    それがなければ個人契約に切り替えて、二人保証人つけさせろ。」
「はぁ・・・。今からですか・・。」
「当たり前だろ。こんな契約書でどうやって回収するんだよ。
  モメるようなら、オレが直接話すから今すぐ電話しろ。」

案の定、電話でモメにモメましたけど、
最終的には登記簿謄本と社判と代表印をもらうことになったんです。

そして約束の日、待ち合わせの仙台駅前ホテルメトロポリタンのロビーに、
男性と一緒にコーヒーを飲んでる「ハシモトリョウコ」がいました。
そして、その男性がこちらに気付き、軽く会釈をしてそのまま立ち去ったんです。

「今の、ウチの旦那様なの。フェラーリで来てるから目立っちゃって。」

なんて言ってる傍から、
「バ、バ、バババブア~ン!!!」
なんて爆音を立てて真っ赤なフェラーリが走り去って行きました。

塩沢トキみたいな派手なメガネの奥に光る眼光の鋭さは、
海千山千を渡り歩いてきた女の生き様を物語っているようでした。

そしてこの時はまだ、これから起こるすごい事件に巻き込まれようとしているなんて
これっぽっちも思ってもいなかったんです。

ジャジャジャーン、ジャジャジャ~ン!

サスペンスタッチで、次につづく。

コメント

1. 無題

えーーと、これって「ミナミの帝王」ですか?

君の顔が竹内力に脳内変換されてるんですけど・・。

2. >さのさん

どー考えても竹内力は濃すぎるでしょ。

それに「ミナミの帝王」ほど続きません。

クックック(▼皿▼メ)ノ

3. 無題

すごい事件って??

気ににゃるぅ…
早く続きをっ!!!!!!!!!!!!!!

4. >Milk lover さん

すいません(・ω・)ノ
ちょっと期待もたせすぎましたね(笑
あまり期待せずに、気楽に読み流してもらうと助かります。

さて、これから続きを書くとします。

5. 無題

まだですかぁ~(笑)
期待してます。

6. >ヒデさん

秋の夜長に、小説でも読む感じで
の~んびりと読んで下さいませ。

小説ほど完成度は高くないですけどね(笑

って、朝になっちゃいましたけど(>▽<)
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