『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

横手にて 後編
毎度ありがとうございます!

何とかETCの件も解決し、馬券も無事に換金することができました。

払い戻しした7500円を握りしめ、得意顔で
「よっしゃぁー!お昼はお父さんがやきそばをご馳走してやるぞォ。ついてこーい!フン!」と
鼻息も荒く、意気揚々と乗り込んだ先は、正直ここで大丈夫か的なたたずまいのお店。

「やってんの?ここ?」と不安げな娘の言葉をさえぎり、
「いかにも観光客目当てのお店よりな、こういう地元の人が通うようなシブイお店のほうがいいんだ。」と
ウンチクをたれながら、外に「やきそば」と書かれた暖簾を勢いよく、くぐります。

ところが・・・誰もいない。電気もストーブもついていない。
「すいませーん、ごめんくださーい。」
諦めかけて帰ろうとした、その時!背後から
「はーぃ。いらっしゃいませ~」とおばあさんの声が。
「うわっ!びっくりしたぁ。大丈夫?やってますか?」と聞くと
「んだいじょんぶだあよ」と志村けんがコントでやるような返事が返ってくる。

横手弁なのか秋田弁なのかは分かんないんですけど、高齢の方の遠慮ない方言は
庄内弁を駆使する自分でも、なに言ってるのか分からないんですよね。
「おぎゃぐさんだっきゃ#$%&’’・・・」ってハンパなく訛ってる。
「はっ?はあ、そうですね」なんて適当に相槌うってたら、
初めて耳にする方言がよっぽど不思議だったのか、ウチの6歳の息子が
「ちょっとすいません。おばあちゃん、なにじんなの?あきたじん?」って聞いちゃった。
「コラコラ、そういうこと言っちゃダメでしょ!」と慌ててとりつくろうものの、もう遅い。

でも意外にもソレが面白いって、おばあちゃんも笑いながら
「まんづめっこいっわらっすっこだぎゃ#$%&’’・・」ってますます訛って話しかけてくる。
そしたら、またまた息子が目をまんまるにして
「おばあちゃん、ボクノコトバワカリマスカ?」って・・・コラコラやめなさいっつうの!

そんなやりとりを見ていたご主人が奥から出てきて、笑いながら
「ウチのばあちゃんにはなしかげでくれだがらねえ、めんごいこだねえ」って柿を一杯くれたんですよ。
失礼なこと言ってスイマセン、ありがとうございます。

dd9b003c.jpgやきそばも、おいしかったです。自分は好きな味でしたね。
こっちで食べるやきそばとは、ソースが違うんですよね。
酸っぱくなくて、ベトつかず、くどくないんですよ。
ボリューム満点で一皿300円は安いです。
ちなみに、普通300円、中盛400円、大盛500円でした。

で、帰りがけに店内をよく見たら、壁のあちらこちらに秋田弁で
「よくきたね」「おいしいからたべてごらん」「さむいのによくきたね」「またきてね」って言葉を
方言で書いた短冊が、たくさん貼ってあるのに気がついた。

そしたら、おばあちゃんが「さっきは、なに言ってたか分かったかい?」って急に標準語で話すんですよ。
「県外から来たお客さんには、わざと訛って話しかけるんだけど、みんな喜ぶんだわぁ。はっはっはぁ。
秋田弁って面白いでしょう」って言うんですよね。
いやはや、おばあちゃんのプロ根性にはお見それしました。この商売上手!

で、車に戻って最後に娘が一言。
「思いっきり、観光客目当てのお店だったじゃん。」

コラコラ、そういうこと言うもんじゃありません。

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