『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

「俵雪 上澄み」と「楯野川 合流」
毎度ありがとうございます!

新酒ラッシュのこの時期ですので、「やんちゃ」にも新しいお酒が続々入荷しております。

今日は一気に2銘柄をご紹介します。

ce012ea5.jpegまずは羽根田酒造の「俵雪 上澄み」純米吟醸、日本酒度+3です。
もう、説明の必要のないくらい有名になった「俵雪」ですが、
「活性にごり」「上澄み」「無濾過」の3シリーズの中から、
今回は「上澄み」を入荷しました。

相変わらず旨いです!
シリーズどれをとってもハズレはありませんけど、
個人的にはこの「上澄み」が一番好きです。
1杯目~2杯目の口あけで飲んでもらうと、
その口当たりの良さと立ち上がる吟醸香のどちらも楽しめます。

限定生産された「俵雪」は、生産本数が売り切れると同時に今シーズンの販売が終わります。
本当に、飲むなら今しかありません。
お早めに、お試し下さいませ。

c2d96915.jpegもう1本は、楯野川酒造「楯野川 合流」純米大吟醸、日本酒度+3~4です。
今年から地元向けの販売ブランドを、この銘柄一本に絞っての生産だそうです。

純米大吟醸とはいうものの、開栓時は少し雑味感があったんですけど、
空気に触れ少し熟成が進んだのか、今が丁度いい飲み頃のようです。
果実系の吟醸香はあまり感じず、むしろ食中酒として
食べながら飲むという方にお勧めです。

しかし、販売がこれ1銘柄ということは、この酒が不評ならその年の「楯野川」は
「ダメだ。」という評価に直結するわけですよね。
逆に、評判がよければ「楯野川は旨い!」となるわけです。

もの凄くシビアで潔いようにも感じますけど、首都圏にはこれまで通りの数銘柄が流通されるそうです。
またもや、地元の酒を地元の日本酒ファンが買えない・飲めないという流通経路・・・。

なんとかならないもんですかね。
「十四代」の爆発的な人気以降、地元で愛されるより都会や海外での評価に重きを置いて
生産・販売されている現状に、呆れることも日常茶飯事です。

自分のようなちっぽけな「やきとん屋」でも、お酒を扱う以上はお客様とお酒との橋渡し、
素敵な出会いのきっかけ作りの大役にあると思っているわけです。

はなから地元ファンや地元マーケットを大切にしない蔵元は、個人的に好きになれません。
たとえ旨い酒を造ろうとも、好きにはなりません。

生産者・造り手の顔が見えること。
消費者・飲み手の顔が見えること。

まずは売ってから、講釈たれてみろと。
まずは買って飲んでから、物申せと。

今の日本酒業界に一番欠落しているものだと思います。
「東京でブレイクすりゃいいんだ。」なんて思ってるんだったら、そのうち見放されますよ。

これまで山形の地酒にこだわって取り扱ってきましたけど、来年からは「店主の隠し酒」として
県外の銘柄も数種類、固定せず置いてみようと思っています。
必ず、自分が飲んでみて旨いと思った銘柄のみ置きます。
お客様に不評なら、全部自分が飲んじゃえば、それまでのことですしね。

さて、今日から週末にかけて荒れ模様のお天気だそうです。
でも、今年も残り僅かですから、気持ちだけでも晴れ晴れと清々しくいきたいものです。

今日も一日、気合いを入れて頑張りましょう!!
オッシャー!

コメント

1. 賛成!

東京に出てから美味い庄内の地酒…を知った私。
地元に帰って、探すと売っていない…。
少量でも扱える店には置くべきですよ。
だから、いつまでたっても庄内人は甘くてベタベタする不味い酒のイメージしかなくて、誇れると云うことが出来ないのですよね。

隠し酒に期待しています。

追伸
帰省は1月にゆっくりとしたいと思います。
その時はお邪魔します。

2. >しんさん

本文にも書いたんですけど、十四代のブレイク以降、この手の販売方式が
当たり前のような状態になってきました。

地元のお酒を、ネットや通販で逆輸入しないと地元のファンは飲めないという…。

しかも「県内のみ限定販売」などと都合のいいキャッチコピーを並べても
実際のクオリティはそんなに高くないという現実…。

困りましたね~。
ま、自分みたいなモンがここでほざいたところで、何も変わりませんけどね。
せっかく誇れるいいお酒が身近にあるのに、「売らず」「飲めず」じゃもったいない話です。

3. 無題

以前に一度、お邪魔した者です。
いつも楽しくブログを拝見しています。

ごく近年になり、地元ファンや地元マーケットが「地酒」の貴重性をやっと認識したように思います。
所得と物価の関係、嗜好品への理解から、それなりの価格帯の商品は地元では相手にされなかった結果、蔵元ではこのような流通にせざるを得なかったのだと考えます。

昨今、質の向上と低価格化が同時に進むようになってきました。地元に根付くか否か、生産者も消費者もこれからが正念場だと思います。
貴店のような理解ある飲食店さん、地酒に理解のある小売酒販店さんから、生産者と消費者を結び付けていただくこと、そこからは生産と消費の新たなサイクルが生まれると思っています。

長文、失礼しました。
訪鶴の際には、またお邪魔できればと思っています。
寒くなってきました、お体にはご自愛ください。

4. >酔いどれさん

初コメントありがとうございます!
好き勝手なことを書きなぐっている、つたないブログですけど
楽しく読んでいただけているのなら幸いです。

おっしゃる通り、鶴岡では「酒=大山!」と断言する方々が多くいらっしゃいますし、
「辛くないと酒じゃない。」という消費者も少なからずいらっしゃいます。

さらに小売業者でも、生酒や要冷蔵の純米吟醸クラスのお酒を平気で
平積みしているところも未だに見受けられます。

そんなマーケットを生産者(蔵元)が相手にしないのも十分承知しております。

そもそもお酒は嗜好品ですので、その全てを否定するものではありません。

近年の「だだちゃ豆」のように、地元の消費者でも美味しければ
多少高くても買うと思うんですよね。

そして、そのことに誇りも持っている。

だだちゃ豆に限らず庄内米も庄内柿もメロンも、
日本酒のように地元よりも都会で売った方がいいとなってしまったら…

そんな危機感が頭をよぎります。

生産者と消費者相互が誇りを持って飲めるようなマーケットになるべく、
微力ながらこれからも頑張っていくつもりです。

是非、お近くまでお越しの際には、またお立ち寄り下さい。
酔いどれさんも風邪など召しませぬよう、ご自愛下さいませ。
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