『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

虚しきテレアポ(前編)
毎度ありがとうございます!

社会人1年生、東京での証券会社時代の話でも。

バブル最終期の平成2年、某証券会社の兜町支店に配属された新人は自分を含めて8名、
全て大卒の営業職志望者のみだったんです。
営業第一課と第二課に分かれてはいるものの、新人8人の机は向い合わせで隔離されてました。

営業部では、全銘柄の動向の分かる株価ボードの下で、支店長はじめ全営業マンが
9時の前場が始まると同時にバンバン電話をかけて「売り」や「買い」の注文をとるその光景は、
殺気だった異常な熱気が立ち込めていたものです。

我々新人には、まだそんな株の話をする顧客など一人もいるはずもなく、
「まずは、その辺で貯蓄モン(元本保証の定期預金みたいなもの)でも、売って来い。」
というのが、当面の業務命令だったんです。

でも、その貯蓄モンですらも、なかなか飛び込み営業では獲得できず、
新人は毎朝の営業会議で、こっぴどく追い込まれていたんですね。

外に出て飛び込みする以外に、電話帳の端から端まで無作為に電話をかけてアプローチする
「テレアポDay」なる曜日も決められていて、その日は朝から晩までひたすら電話をかけるわけです。

eyes0817.jpg8割がた「〇〇証券のイシカワと申します。恐れ入りますが・・・」
大体このあたりで「ガチャン!」と切られます。
名前から先を話すことも出来ないんですよね。
その時間わずか約30秒くらいですから、次から次とかけまくって、
1日に300件なんて日もありました。

そんな同期全員が玉砕されているなか、自分と同じ大学から入社したタケダ(仮名)
だけは、「ええ、今日は3円高です。△△製作所なんかも面白いと思いますよ。」
なんて、一丁前にベテラン証券マンみたいな電話で誰かと話をしてるんですよ。

聞けば、父親の知人に懇意にしてもらっているそうで、近いうちに株契約も約束されているそうなんです。

毎日、毎日、支店長に容赦ない罵声を浴びせられ、明日が見えない無力感の中で、
タケちゃんの外線電話は、まさに同期の憧れでもあったわけです。

「いつか、あんな電話を顧客としてみたい。」

そうは思うものの、支店長からも「お前ら、少しはタケダのこと見習って、今日こそ契約、取って来い。」
なんて、むしろ追い込まれる要因でもあったんですけどね。
ひたすら、いつか自分にもお客様が出来ると信じて、くる日もくる日も、玉砕されてました。

そんな、ある日のこと・・・。
あの事件が発覚したんです。

つづく。


 

コメント

1. ワクワク

やんちゃさんの続きもん好きっす
なにが起こったんすかぁー!

ワクワク

2. >酒田むすめさん

そんなに大したことじゃないんで、
サラリと読み流してやってください(笑

オチまで考えてないまま、書き始めてしまいました・・・(゚_゚i)タラー・・・
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