『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

焦らずのんびりと
毎度ありがとうございます!

お店をやっていると、「これから4人で行くから10本くらい串を焼いといて。」とか
「宴会スタートと同時に食べれるようにホルモン準備しておいて。」という要望が結構あります。

そのくらい普通だろうとお思いかもしれませんが、どれも対応しておりません。

すでに店内にお客様がいれば、その方のオーダーを順番で焼くのが当たり前ですし、
焼きたての温かいものを食べてもらいたいという基本的な部分もあります。

七輪を準備しておいてというのも、結局時間通りにメンバーが揃わなくて、
せっかく起こした炭も燃えカスとなり、結局あとからまた火を起こすことになるパターンが
ほとんどです。

串も炭も、丁度いい状態で美味しく召し上がって頂けるようにお出ししているわけですから、
あまり焦らず、せっかちにならずに、入店してからご注文して頂ければと思います。

そもそも、ラーメン屋に「これから行くから3人前作っておいて。」と言わないでしょう。
すし屋はあり得るかも知れませんけど、鍋やってる店に「火かけといて。」とは言わないですよね。

世間にはお土産の串だけで商売されている方もおりますし、移動販売で商売されている方もおります。
それぞれの商売に、それぞれの考え方とこだわりがあって当然だと思いますし、
自分がやらないことをやっていることを決して否定するものではありません。

「やきとりなんて、ちょっとくらい冷めたって大丈夫、大丈夫。」という人がいます。
「所詮やきとりなんて、そういう食いものじゃん。」という人もいます。

それでも自分は、お持ち帰りのみの販売はやりませんし、今後もやる予定はありません。
これから来るというお客様の注文を先にやって、店内のお客様のオーダーを後回しなんてことも
これからもやらないでしょうね。
そんなに器用じゃありませんし、そんなせっかちなお客様も正直なところ苦手です。

電車文化でもないこの鶴岡で、最初の一品が出てくるまでの僅か5分間を、
そんなに焦る必要がありますか?

そういえば、昔のラーメン屋は出前をするお店が多かった記憶があります。
それがいつの間にやら「バリ硬」だの「濃口」だの、細かく注文できるようになった反面、
出前で食えるお店はどんどん減ってきたような気がします。

配達する人がいるいないではなく、お店で食べる一杯に渾身のエネルギーを注ぎ込むから、
より完成度の高いベストな状態のラーメンを食べてもらいたいお店がほとんどなのでしょう。

今のラーメンは、どれも美味しすぎますもんね。
ダシだのガラだの小麦粉だの、たくさんのこだわりと技術向上や切磋琢磨の賜物で、
一流シェフ並みに崇拝されている店主さんもたくさんいるくらいですから。

自分の中では、子供の頃にたまにお客様が来るとお昼に出前で取っていた、
川端通りにあった赤い暖簾に白文字の「大華園」の中華そばが一番好きでした。
ちょっと豪華だと、あんかけが乗った「タイロー麺」だったりして、
我が家のたまに味わえる贅沢のひとコマだったのが懐かしいです。

大人になってから好きなだけラーメンが食えるようになって、移転していた大華園に行って
親父さんと話しながら「ラーメンなんて簡単なんだ。そして安くて早けりゃそれで十分。」なんて
言っていたのを思い出します。

たくさんのこだわりと究極を求めた逸品と、リーズナブルでシンプルな一品と、
どちらが正解で不正解もないでしょう。

ただ、どちらもゆったりと心穏やかに、焦らず楽しく食べたほうが美味しいに決まっています。

今日も「美味しかったよ。」と言っていただけるように「一串入魂」で仕事します。
明日はカウンターしか空いていません。
今日はヒマそうです(笑

よかったら、ぶらりとお立ち寄りくださいませ。


 








コメント

1. せっかちなんすネェ

待つのも含めての外食でしょうに。
色んな人がいるものなのですね。
それを受けてくれないと殿様商売だ、とか言うのかな。ちょっとしたクレーマーもそこかしこに潜んでいそうだなぁ。

鶴岡市といえば、お客さんが来るとラーメンとか出前していたイメージがあるのですが。
うちはサンダーバードの所にあったのやさか食堂とか睦町のむつみ食堂、美原町の満月食堂からとってたなぁ。

さて、鶴岡市の桜開花はいつだろう。

2. >しんさん

結構、そういう要望は多いんですよね。
「スタートと同時に。」みたいな方、結構いらっしゃいます。

「そんなに時間はかかりませんし、焼きたてのほうが旨いですよ。」
とお伝えすれば大体の方が了承してくれます。

出前のラーメンは、美味しさもさることながら
あの特別感というか、
出掛けずに外食を楽しめる優越感というか、
子供心に嬉しかったものですよね。

「濃口」とか「バリ硬」とか「こってり」とか、
自分好みで注文できる最近の細かいラーメン加減を知ってから、
あの出前ラーメンの美味しさを忘れてきている自分がいます。

商品単品の旨さも大切ですけど、自分にとっては
いつどこでだれと、がより大切なんですよね。
当時の風景だったり、誰かを思い出す味だったり。

帰省、楽しみにしています。
また飲みに行きましょう!!
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