『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

山形酒場巡り②
毎度ありがとうございます!

「焼鳥小柳」を出ても、まだ外は明るい午後6時過ぎの山形市。
事前調査では祝日休みという「おでん ふくろ」にダメ元で電話してみると、
なんと「今日は特別に営業しております。」ということで、すぐに直行することにしたんです。

DSC_0116.jpg三代にわたって80年以上続いているという老舗の、
鍋前のカウンター特等席に座らせてもらいました。

入り口に大きな「ふくろう(不苦労)」の木彫りがあったんで、
店名の「ふくろ」はそこからなのかなと思って女将さんに尋ねたところ、
「まったぐ関係ないんだけっどもよ・・・」となんとも暖かい山形弁で
教えてくれたんです。

ふくろうじゃなかったら、おでんダネのふくろ(巾着)かと思いきや、「堪忍袋」からきてるんだそうです。

初代が、「飲食店にはいろんなお客様が来るから、嫌なお客様にも我慢して愛想よくしろ。」という
戒めも込めて、そこから店名が「ふくろ」になったんだと教えていただきました。

DSC_0117.jpg失礼を承知でお歳を聞くと「83になります。ホホホ~」と優しく笑うその姿に、
思わず自分のおふくろの姿とダブって見えてしまって、
今ではもう食べることが出来ないおふくろの味を思い出して
ひとりカウンターで哀愁に浸ってしまってました。

きっと、熱燗のせいかなぁ・・・。

このままおでんをつまんで、ここで終わってもいいかなぁなんて一瞬アタマをよぎりましたけど、
お隣に座っていたご常連の「かけめし、たまごで。」の注文に、一発で目が覚めました(笑

この「かけめし」、ご飯におでんのだし汁とお好きなネタ一品入れて食べるんだそうで、
常連のみなさんは〆の一杯に必ず食べていくという逸品なんだそうです。

さすがに〆には早すぎる時間でしたんで、お隣の「かけめし、たまご」をしっかりと目に焼きつけ、
ここでお会計することにしました。

なんとも暖かく、のんびりと落ち着くお店でしたね~。
いつの日か、また女将さんに会いに行きたいと思います。
それまで、お元気でいてくださいね、女将さん。

フーッと大きく息を吐き出しながらコートの襟を立て、また夜の七日町に吸い込まれていきました。

まだまだ、気力と記憶が残っていれば・・・つづく。

 

コメント

1. やはりおでん。

おでんの写真がめちゃくちゃ雰囲気あって、なんかいいなぁ。
美味しそうだし。

口開けすぐに満席になるのは庄内も見習って欲しいところ(笑)

2. >しんさん

そう、やっぱりおでん。
ここでも、おでん。

お店は、近年改装されたそうなんですけど、それでもカウンターの雰囲気は最高でした。
老舗の持つ独特の佇まいがなんとも言えず、おでんと熱燗がたまらなくいいんです。

そして、女将さんの物越しの柔らかさが、更にいい味だしてます。
また行きたいお店が一軒増えました(笑

3. 無題

オイも母ちゃんの豚汁食わいねぐなって10年経づんども、おふくろの味っていづまでも忘れねで残ってんなやのー!!
あど食わいねんども食いでっちゃ!!

4. >イタルさん

おふくろの味は、食べられなくなってからのほうが恋しくなるものです。

「思い出」という皿の上で、心ゆくまで堪能しましょう。

てか、イタルはまだ諦めるなよ!
思い出には早すぎるぞ。
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