『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

ヤマシタさん
毎度ありがとうございます!

先週の金曜日、神奈川から鶴商時代の先輩ヤマシタさんが遊びに来てくれました。
高校卒業以来ですから約30年ぶりの再会です。

ヤマシタさんは嬉しいくらいに変わってなかったですね~。
残念ながら、野球部寮では同部屋にはなったことがないんですけど、
ヤマシタさんいるの部屋は通称「楽部屋」と呼ばれ、先輩特権のお菓子やカップラーメンが
食える部屋だったし、後輩にはたまらなく嫌だった「寝るまでマッサ」がない部屋として、
我々後輩の憧れの先輩でもあったんですよね。

でも、そんなヤマシタさんは楽な先輩というだけでなく、自分自身に厳しい先輩でした。

こう言っては失礼かもしれないけど、最後の夏はベンチに入れなかったんですね。
そんな自分の置かれている状況にいつも危機感を持って、一人黙々とバットを振っていたのも
知っていたし、誰よりもベンチに入りたくて努力していたことを知っています。

自分みたいな下手くそは、レギュラーで試合に出ている先輩よりも
ヤマシタさんのような先輩を身近で見てきてるんで、
どうしても自分と重ね合わせて感情移入しまうんですよね。

たまに出る練習試合でヤマシタさんがヒットを打てば嬉しかったし、
守備でちょこっと出るだけでも嬉しかったんですよね。

そして、最後の夏のベンチ入りメンバーが発表された日のことを、
今でも鮮明に覚えています。

最後まで名前が呼ばれなかったヤマシタさんにかける言葉もなく、いつものように
ビールケースに入れたバットを持ちながら、寮まで一緒に帰ったんです。

ベンチ入りメンバーから外れたヤマシタさんは、泣いていました。
それを見た自分も、思わず涙がこぼれました。

「努力は必ず報われる。」なんて簡単に人は言うけど、人一倍練習していたヤマシタさんが
ベンチ入りメンバーに選ばれなかった現実の厳しさに、かける言葉も見つかりませんでした。

だけど、30年ぶりでもこうしてまた会えて、お互いに元気な姿で肩組んで酒が飲めたことは、
言葉では言い表せないくらいに感動したし、嬉しかったし、楽しかった夜だったんですよね。

レギュラーにはなれなかった、ベンチには入れなかったかもしれないけど、
使命感のある仕事に就き、家族に支えられ、野球をやっている息子の将来を楽しみにして
今を生きるヤマシタさんの姿と、そんなヤマシタさんと一緒に酒を飲んでいる自分の姿に、
何ともいえない幸福感と、30年という時の流れを感じていました。

結局、何軒はしごしただろう・・・(笑

最終的に、小国から2時間かけて来てくれたタケウチと
3人で行った居酒屋を出たのが4時半。

外はすっかり明るくなっていて、眩しかったですもんね。

途中、何度も昔の話に感動して涙ぐむヤマシタさんの隣りで、
「泣ぐなって。もう終わったごどだべ。」なんて、アイツらしくタメ口で投げやりな言葉をかける姿に、
思わず「お前はホント昔からそうだよな。全然先輩と思ってねーんだもん、コイツは(笑」なんて
ツッコミ入れてるヤマシタさんとの掛け合いも、見ていて懐かしかったんですよね。

今年は、1月のOB会でも懐かしい2コ上の先輩方と30年ぶりの再会が出来たし、
なんか今年は、もう会えないだろうなと思っていた方々と会える「再会の年」になってます。

せっかく再会できたわけですから、このつながりとご縁を大切にしながら、
また今日からの自分の日常を頑張っていこうと思います。

ヤマシタさん、マナブさん、楽しい夜をありがとうございました。
また今度会えるときまで、頑張りましょう!

ヤマシタさんが「美味いよ、マジで。」と喜んでくれた煮込みを、
いつものように作りながら、今日も一日頑張ります!!


コメント

1. 無題

さすが!『夏をあきらめて』のタケウチさんですね(笑)

イイ話です…このブログ、いまの現役野球部員にも見せたいくらいです。俺なら完全に腐ってますよ。

2. >ポンセさん

そう、アイツは先輩とかあんまり関係ないんだよな( ̄ω ̄;)
けど、先輩達もそんなアイツを分かってる。
つまり、得な性格ってやつです(笑

ヤマシタさんだけに限らず、ベンチ入りできなかった先輩達の背中を見てきましたからね・・・
自分なんかは完全にそっち寄りの選手でしたから。

たまたま自分達の年代は人数が少なくてみんながベンチに入れただけだと思っています。

厳しい時代でした。
非情な時代でもありました。

そんな時代に野球をやって、寮生活をした者だけに見える景色がある・・・
それが、今年のOB会の夜だったり、先日の宴だったのかもしれません。
どれもみな、自分にとっての財産だと思っています。
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