『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

日本酒の話①
毎度ありがとうございます!

最近はブログネタになるような出来事もなく、平凡な日々を送っております(笑
毎回毎回、息子の野球ネタでも面白くないので、日本酒の話しでも書いてみようかと思います。

日本酒に興味のない方はスルーしていただいても結構ですけど、雑学程度に知っておいても損はない
内容にまとめてみたいと思いますので、よかったら最後までお付き合いいただければ幸いです。

もちろん自分なんかが講釈するよりも、もっと詳しく専門的な知識をお持ちの方もおられるかと
思いますけど、まぁここのブログを読んでくださる方向けの居酒屋親父の雑談程度に受け止めて
頂ければと思います。

実は昨日、東根市にある六歌仙の「山法師」純米爆雷 日本酒度+28という、
日本で一番辛い酒と謳う日本酒を仕入れてきたんですね。

当店でも日本酒メニューの中に+3とか+15とか-21なんていう数値が表記されています。
これは日本酒度といって、いわゆる日本酒の「辛さ」「甘さ」の目安とされている数値なんですね。
プラスになればなるほど「辛く」マイナスになれば「甘い」ということになっています。

が、そもそも日本酒において「辛い」とはどういうことなんでしょうか。
そのひとつの目安になるのが、【日本酒度】ということになります。

この日本酒度とはなにかというと、日本酒の中に含まれる糖度の比重を計るもので、
日本酒度計という計器で測定します。

糖は水よりも重く、アルコールは水よりも軽いという物理的な原理がありますので、
日本酒度が高い(+)お酒というのは糖度が低いお酒、すなわち甘くないお酒、
ということになります。
日本酒度が高く糖度の低いお酒のことを相対して「辛い」というわけです。

でも「甘くない」お酒のことを「辛口」と言ってしまってもいいんでしょうか。

実は日本酒には【コハク酸・乳酸・クエン酸・リンゴ酸】などが含まれる酸も加わります。
この「酸度」を分かりやすく例えると、同量の砂糖を入れて作った「砂糖水」(日本酒度は同じ)
を用意して、片方にはレモンの果汁(酸)をいれると、急にスッキリと飲みやすくなりますよね。
さらに、そこにフルーティな香りも加われば、どうなるでしょうか。

つまり糖度の多い少ないの目安が「日本酒度」であり、日本酒度が高いお酒は甘くないのであって
それをすべて「辛口」と言ってしまうのは少し無理があるように思えてくるわけです。

酸度とのバランスによって「スッキリ」と感じるお酒もありますし、
旨さよりも水のように無味に近いと感じるお酒もあります。

辛さの目安といわれる日本酒度は、実は「糖度」の多い少ないの測定値なのであって、
実際に辛く感じる、甘く感じるというのは、作り手の意図といろんなバランスのなかで
商品として完成されたものであり、最終的には飲み手の舌で判断されていいのだと思います。

自分は、あまり辛口と謳うお酒よりも甘口・旨口の味のあるお酒が好みです。
でも、市場的には「辛口」のお酒が多く、お客様も「辛いお酒ください。」という
注文が圧倒的に多いのも現状です。

ではなぜ、そうなってしまったのか。

それは日本酒の暗黒時代とも言われる「三増酒」と、新潟の地酒に代表される「淡麗辛口」と
いわれるお酒の登場にあります。

が、それはまた次回にしましょうかね。
随分と簡単に、随分とはしょって、分かりやすく書いたつもりですが、どうでしょうか。

昨年、同級生で日本酒の師でもあったサノが急逝し、気軽に日本酒のことを聞ける相手が
いなくなってしまいました。
でも、彼によって開かれた日本酒への探求の扉は、これからは自分なりに勉強して知識を高める
終わりなき旅路の始まりでもあります。

いつも分かりやすく噛み砕いておもしろおかしく教えてくれた日本酒の知識を、微力ながらも
やんちゃをご贔屓にして下さるみなさまへ、自分なりの表現で伝承していくことも、
彼に学んだ門下生としての使命なのかと感じています。

それが今の自分にできる、これからの自分にできる恩返しのような気がしています。

よかったら、また日本酒の話しにお付き合い頂ければと思います。
 
 
*参考文献
 山形の地酒「佐野屋」主宰
 日本酒アドバイザー講座テキスト
 日本酒学講師 佐野洋一氏

コメント

1. 酒。

個人的には日本酒度はあまり目安にならなくて…辛口を銘打っていても飲んでみるとそうでもないのが結構あって、とりあえず一度は飲んでみます。

辛口…昔、ビール業界も辛口ブームがありましたよね。
味薄いのが辛口なのかなぁ、と。
濃い日本酒が好みでないのなら、ロックでやるのもいいと思うんですよ(店でロックで出してくれ!とは言いませんが(笑)

私なんかは周りの客が『辛口で』と注文しているのを横に『濃いので』と頼んで、心の中でニヤリとするヘンタイなのであれですが、食わず嫌いにならないで色々飲んで欲しいと思います。

2. >しんさん

自分も日本酒度は、あまり気にしていない派です(笑

知れば知るほど奥が深く正解のない日本酒の世界・・・
自分の舌を信じて、是非お気に入りの一本に出会う
きっかけになってもらえればと思って今日も頑張ります!

ラベルで飲む人やウンチクを肴に飲むのも否定しません。
楽しく愉快に、そして美味しく飲んでもらえれば最高ですよね。

そして好きな銘柄をぬる燗やロックで楽しむのも、また自由。

自分はアイスビール派ですしね(笑

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