『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

バカヤロー
毎度ありがとうございます!

少し前・・・って言っても1ヶ月くらい前の話しなんですけど、
仙台からウチにきて修行している子に、何も教えずにとりあえず「煮込み」の宿題を出したんです。

「お前、今まで煮込みは作ったことあんのか?」
「はい。自宅で何回か作ったことはあります。」
「そうか。そんなにたくさんじゃなくていいから、今度作って持ってきてみろ。」
「はい。」

で、翌日・・・。
「一応、作ってきたんですけど、なんか甘くてマズイっす。」
「・・・なんだ、それ。とりあえず食わしてみろ。」
「はい。」
「・・・うわっ!!!」

初めて自分に食わすって事で、少し保険をかけたのかと思いきや本当に激マズなんですよ。
砂糖か味醂の入れすぎで、とにかくツユが濃い色味とは裏腹に甘くてベタベタしていて、
モツにも大根にも全然味が染みていないんですよね。

「お前、これ砂糖入れたか?」
「はい。ちょっと入れすぎましたかね。」
「お前の煮込みは、いつも砂糖入れてんのか?」
「いえ、ネットで煮込みが有名な店のレシピが出てたんで、一応それ見ながら・・・。」
「このバカヤロー!!!」

本当にバカヤローですよ、しかも、たくさんのバカヤローがある。
まず、一つ目のバカヤローは、自分が食ってもマズイと思ってるものを他人に食わせたこと。
たとえ作って来いと宿題が出ていたとは云え、最低でも自分の中で納得したものじゃなかったら
作ってこないほうがマシなんですよ。

基本の味付けや配合が分からなくても、他人に食べてもらうことを前提にしているんですから、
最低限のレベルをクリアしたものじゃなかったら、絶対にダメでしょう。
それを、自分でもマズイと思っているもんを持ってきて食わせてるわけです。
それでも、一生懸命自分なりに作ってきてそれなら、アドバイスのしようもある。

それを、「ネットで見た有名店のレシピを真似た。」なんて言いやがる。
これが二つ目のバカヤロー。
だったら、その有名店に修行に行けよ、って話しです。
そんな付け焼刃で誰かのレシピを真似して作った煮込みが食べたいわけじゃないし、
まして、その有名店の煮込みが食べたくて宿題を出したわけじゃないんです。

しかも、あえて言うならレシピを見ながら作っても、あれだけマズかったこと。
これがおまけの三つ目のバカヤロー。
修行中にいろいろとメモを取ってるようですけど、書いてあるものを見ながら作っても、
その通りに作れないなら、メモってる意味がないと思うんですよね。
正直、調理センス以前の問題だと思うんです。

失敗や出来ないところを指摘してもらって、覚えて修正していくのが修行だと思うんです。

あと、どのくらいウチで修行するのかは分かりません。
ゼロからスタートどころか、すでにマイナスからのスタートになってますけど、
それでもいつの日か「あの甘い煮込みでドヤされたところから始まったよな。」
と、笑って話せる時が来ることを信じて、これからも厳しく接していこうと
思っています。

出来ない自分をさらけ出すところからが、まずはスタートです。
今のうちに、いっぱい恥をかいておけ。

なーんて心の中で想いながら見守っていても、それっきり「煮込み」は作って持って来ないし・・・。
もう、出来るようになったんか?それとも言わなきゃ作って来ねーのか、このバカヤロー!!(笑

今どきの子っちゃぁ、それが今どきなんでしょうかねぇ。。。
胃が痛いっス。゜゜(´□`。)°゜。

コメント

1. まだいいですよ

こちらの業界だと、漫画家から指定された背景を
描いてなんぼなのですが、例えば教室の指定に全く違う背景を描いてみたり、はたまた、先生の描いたキャラクターを消して、自分の絵の方が上手いので直しましたとか言う輩もいます。

もちろん、もう来なくていいよ、と言われるわけですが、そういう輩なほど図々しくシレッと給料は貰いに来るんです。
働いていないのでやるわけにはいきませんが( ・´ω・`)

料理って、レシピを見ながら作ったことないかも…。

2. >しんさん

>例えば教室の指定に全く違う背景を描いてみたり、はたまた、先生の描いたキャラクターを消して、自分の絵の方が上手いので直しましたとか・・・

スゴイのいますね~。(驚
ウチにもブログには書けないですけど、本気でダメなエピソード、
星の数ほどありますもんね。血圧も上がるっちゅうねん!

レシピもそうですけど、メモ書いてそれ見ながら作っても出来ないんなら
書く意味がねーだろう、って思うんですよ。
それなら自分の舌や体で覚えたほうが、ずっと早いんですよね。

どんなレベルの料理であれ、「食べた人に美味しいって言ってもらいたい。」って
思うところからスタートするもんですよね。
それが、自分が食ってマズイなら、誰が食って美味いんだよって話しなんです。

かぁ~っ愚痴が止まりませんな。
次回帰省の際には、是非お付き合い下さいませ(笑
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