『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

にんげんだもの
毎度ありがとうございます!

自粛期間中に、その言葉に何度も何度も励まされ勇気をもらい、そして深く考えさせられた
相田みつをの書ですが、いま山形美術館にて「相田みつを展」が期間延長で開催されています。

当直明けの代休で平日休みのカミさんを誘って、山形まで「相田みつを展」に行ってきました。

天気もよくて久しぶりの月山越えでしたけど、途中どこにも寄らずに車内から眺める月山道の景色も
以前とまったく変わらずに、穏やかな日常に戻ったかのような錯覚さえ覚えます。

でも美術館に着くと、これからの「新しい生活様式」という現実が待っていました。
入り口で体温のチェックと指先の消毒、さらには万が一に備えて来場者の住所・氏名を記入し
マスク着用を義務付けて、大人1,200円で入場できます。

いつも日めくりカレンダーで見ているサイズと違い、大きく迫力ある書にぐっと惹きつけられ、
その筆の勢いと力強さに圧倒され、そして作品の隣にあるキャプションを読んで
さらに引き込まれて感動してきました。

1階から2階の展示に続いて3階の物販コーナーまで時間をかけて回ったんですけど、
コロナの影響に平日ということもあって、ほとんど人がいませんでした。
その分、遠慮なくゆっくりと鑑賞できたんで自分j的には最高だったですね。

相田みつをの書と出会ったのは、まだ自分が大学生の頃です。
酒田に住んでいた姉のアパートのトイレに飾ってあるのを見て、なんとも言えない感覚になったことを
今でもはっきりと覚えています。

書の味というか趣も分かっていない学生の第一印象ですから、当然「なんだこのヘタクソな字は!」
でも、これが綺麗な字で書いてあったとしたら心に止まることはなかったでしょう。
それはすなわち、ただのセリフとして読んでしまうから。

言葉よりも目から入ってくる書体のインパクトさが鮮明に目に焼きつき、そしてあとから
その言葉の重さや言葉の意味を探してしまう、言葉と書体が融合した余韻のある書なんですよね。

一枚一枚に相田みつをのその時その瞬間の感情があり、みつをなりの表現やメッセージが
込められているにもかかわらず、読み手側の心理や状況によって感じ方が大きく違って
読めるところも、みつを展に行ったからこそ見えてきた奥深さのひとつです。

今の自分の状況に勝手に重ね合わせて、勇気をもらったり考えさせられたり、
そして踏ん張らせてくれたり・・・

1ヶ月以上仕事をせず、自宅にこもり、まるで世間から取り残されたような感覚と
見えない明日を考えすぎて睡眠不足な日々と、収入に対する現実的な不安・・・

それでもようやく再開の目処がたち、あとはお客様が動くかどうかのところまで辿り着くことができ、
暗いトンネルの中で前を向けたのは「相田みつをの言葉」に助けられた部分も大きかったのは
間違いありません。

ちなみに相田みつをは書道家ですから、それはそれは綺麗な楷書体も書きます。
あの書きなぐったような味のある字体も実は計算されていて、墨や湿度や紙の状態を見極め
そこに自身の経験や想いを込めて書かれた作品たちです。

60歳で初版「にんげんだもの」が発売され、その僅か7年後に他界。
生きることや、人間としての慈しみを書いた相田みつをの書が、広く世間で評価されたのは
没後であるというのも考えさせられます。

のんびりと、そしていろいろと考えさせられリフレッシュした、とてもいい一日でした。
山形まで行ったついでに美味いものでも食べてきたかったんですけど、真っ直ぐに戻ってきました。
山形市の七日町や駅前をパトロールしてきましたけど、開店率はまだ半分くらいだったでしょうか。

それでいいんだと思います。
少しづつ、少しづつでいいんです。

感染予防をしながら経済を回すなんて、誰にも正解は分からないんですから。
少しづつ経験し、新しいスタンダードをみんなで見つけていけばいい。

久しぶりの運転で少し疲れました。
風呂に入って早めに休みます。

ではまた。








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