『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

今やらずして
毎度ありがとうございます!

本日は食肉公社が連休明けの稼働で、当店で使用する部位の通常仕入れが困難となったため、
臨時休業とさせていただきます。
ご不便をお掛けしますが宜しくお願いいたします。

さて、連休はいかがお過ごしだったでしょうか。
本来ならば、我が家でもプチ旅行を計画していたんですけど、まだコロナが落ち着かない状況では
県外への外出や外食は控えたいとカミさんが言うんで、南陽市の「熊野大社」まで御朱印を頂きに
カミさんとドライブしながら参拝してきました。

拝殿で手を合わせ願うことはただひとつ、早くコロナが収束し平時の生活が戻ることだけです。

せっかく内陸まで来たんで「お昼は何が食いたい?」と聞くと「すき焼き!」と即答します。
泊りがけで家族旅行に行ったと思えばすき焼きでも何でも安いもんですよ。

すぐに近くのすき焼き屋をググってみると「米沢牛すき焼き5,700円(一人前)」のメニューにビビるww

昼飯に12,000円の出費を冷静に考えて、それなら鶴岡で夜に贅沢しようと素に戻る二人でした(笑
結果的に近くの食堂で一番人気というとんかつ定食を食べて、地元の酒屋さんでお土産の日本酒や
ワインを買って、いつもと変わらないドライブ旅になってました。

特別感はなかったけれど、今はまだそれでいいのかもしれません。
来週からは息子も働き始め、5月には社会人野球都市対抗の予選会も始まります。
新しい我が家の日常が、すぐにそこまで来てるわけですからね。

職場の制約や制限のなかで肩身の狭い旅行を敢行するよりも、もう少し落ち着くのを待って
千葉に住む娘のところにでも堂々と遊びに行きたいねと二人で話しながら戻ってきました。

お昼に食べたとんかつも旨かったなぁ。
決して綺麗なお店ではなかったけれど、味があるというか雰囲気があるというか、
厨房から聞こえる小気味いいフライパンの音や、揚がったとんかつを切るザクっという音が
待っている間の食欲をそそるんですよね。

お店といえば、弟子のユウヒも来月には独立するそうです。
自分の開業時のオープン1ヶ月前とは随分と様子が違いますけどね。

確かにお店の外観や内装も大切ですよ。
インスタも今どきはオープン前から告知・活用するのが当たり前なんだそうです。

でもね、肝心なのは何を出すのか、どんなものを提供するのか。
もっと言うならば、他にはない逸品を提供しなかったら、どこで他店と勝負をするんだという話しです。

ウチやおでん屋ですでに売れてるメニューをただ単に持っていくだけでは、
そのお店は絶対に越えられません。

あえて厳しいことを言うならば、もっともっと脳みそに汗をかいたほうがいい。
オリジナルのメニュー、新しい調理法、独自の味付け、適正な価格設定・・・
見栄えなんてその後でいいんですよ。

自分のオープン1ヶ前は毎日煮込みを作っていました。
練習用に小さな鍋を使うのではなく、本番同様に大きな鍋を使って仕込む量も本番と同じ分量です。

自宅で食べるのはもちろんですけど、実家に鍋ごと持って行って感想を聞いたり、
友人の会社のお昼時に鍋ごと持って行ってそこの社員に感想を聞いたり、
となり近所におすそ分けと称して晩御飯で食べてもらったりしていました。

真夜中の2時にレシピが気になって、いきなり飛び起きて煮込みを作り始めて、
キッチンでメモを取りながらそのまま朝を迎えたことも何度もあります。

親方のいなかった自分が出来ることは、練習して練習して練習するしかなかったんです。
野球に例えるならば、綺麗なユニホームのままのヤツを誰が必死に応援してくれますか。

泥だらけになって汗まみれになって、歯を食いしばって「もう一丁!もう一回!」と倒れても
這い上がってくるから周りのみんなが「頑張れ!」と声に出して応援してくれるんですよ。

それでも開業当時はお客様にも笑われたし「不味い!」と直接言われたこともあります。
横浜から遊びに来た同級生は、殺風景な店内の雰囲気を見て「もう少し手を加えたら?」と
真剣に助言してくれたこともあります。

でも、正直そこまで余裕がなかったんですよ。
気持ち的にも、金銭的にも。
飲食店で働いたことすらないド素人が始めたお店でしたからね。

たぶん、きっと独立前に弟子に小言をいうのは、これが最後になるでしょう。
いい大人に面白くないことを言って、自分が嫌われ者になることは一切構わないんですよ。
「所詮、お前の店のことなんだからオレには関係ないけど。」と言えばそれまでなんですから。

でもね、やっぱり成功して欲しいじゃないですか。
お客様に可愛がってもらって、長く愛されるお店をやって欲しいじゃないですか。

お店なんて、金さえあれば出せるんですよ。
その金だって貯金なんかなくたって借金すれば作れるんですよ。

毎月1万円の貯金は「店を持つ!」という夢のためにかく汗だと言ってきました。

これからの人に「努力は報われる。」なんて根拠のない耳障りのいいセリフは言いません。
ただ「やらない後悔よりも、やった後悔のほうがいい。」とだけははっきりと言えます。

弟子たちには頑張って欲しいと心の底から思っています。
口には絶対に出しませんけどね。

店主となる己が頑張らずして誰が頑張るんだよと。
そもそもそんなことは人に言われて頑張ることでもないしね。
所詮は水商売、明日のことは誰にもわからなんですから。


今日は臨時休業なんで、いつもより長くブログを書いてしまいました。
一部のブログマニアの方は喜んでくれるのかな(笑

ではまた明日から宜しくお願いします。



コメント

1. 遂に

遂に独立ですか。
夜の生活様式はかなり変わってしまいましたが、交通手段のある都心なら、土日祝の昼飲み需要がコロナ禍前よりありますね。
夜は早めに帰宅するのに慣れちゃってます。
都心は定休日を変えた店が多いかも。
月曜、火曜定休日とか。

酒場の店主は色々飲み歩いて、流行りのチェックやメニューのチェックをしてますもんね。
京都には、皮のプルプルした部分までついた蒸し豚が名物だったりするようです。
最近だとチャーシュー山盛りに目玉焼きを乗っけたのとか、見た目のインパクトも良さげでした。
九州辺りの地鶏の焼き方で、豚肉、モツを焼いてみたらどうなのかなぁ。
軽く湯がいてから焼くとか。
茹でたキャベツともやしをのせて、背脂にんにくをのせたら二郎のアタマ、とか。

東京は雪が舞ってきました。

2. >しんさん

実は豚の「皮」だけでも流通してるんですよ。
自分の最初のインスピレーションでは、湯がいた後に細切りか短冊切りにして
ガツ刺しのようにアサツキなんかと混ぜて前菜・冷菜をイメージして試作してたんです。

それがなかなか柔らかくならないんですよ(汗
そこから未だに「宿題部位」としてノートに書いたままです。

でも、それでいいんです。
そうやって今は完成しないけれど、いつか使いたい部位や
提供したいイメージを書き記しているだけでも
アンテナは張っていれますから。

部位だけでなく、
「ステーキ皿にもやしを使って。」とか
「ジンギスカン鍋でホルモンを焼く。」とか
その時に思いつくことを書いておくんですよね。

あとはやったもん勝ちですから。

二郎のアタマですか・・・いいですね、それ。
ちょっと試作品でも作ってみたいと思います。

4. 無題

今さらなんですけど の続きです。
変な所を押しちゃったみたいです(笑)

クジラ食べたいんですよねぇ。子供の頃白いプニプニしたヤツ御吸物で食べてました。
多分それだと思うんですけど『コロ』って、大阪ではおでんで出してるんですよね。
You Tube観てて食べたいなぁって思ってました。

5. >エスコバーさん

クジラの赤身は大好きなんですけど、
あの脂身の白いところが苦手なんですよね。
自分は今でも絶対に食べれないと思います(苦

おでん屋に頼んでみたらどうでしょう。
そのための仕入れや仕込みも増えますけど
ユウヒが抜けて「牛すじ」がメニューから消えるそうなんで
新しいメニューにと提案してあげてください。

・・・たぶん、やらないと思うけどね。
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