『笑顔の中に美味さあり。』

やきとん専門店「やき処やんちゃ」店主ブログ

会津にて③
毎度ありがとうございます!

お土産を買うために鶴ヶ城会館に立ち寄り、自分はお店で使う「片口徳利」を購入しました。
木製でできた片口で軽く割れることもなく、ちょうど一合が入ります。

普段からリサイクルショップや蚤の市があれば、片口徳利があるか気にかけていたんで
いいお土産を買うことができました。

というわけで、いよいよ時刻は17時。
一軒目の「天竜」さんの予約の時間です。

口開けと同時に入店させてもらいカウンターに案内され、まずはご主人にご挨拶。
一階だけで65席あるというカウンター・ボックス・小上がりの全てがご予約で埋まってるそうです(驚

さすが会津イチの繁盛店ですねー
ブンちゃんも「1月の時点で予約してギリギリ予約が取れました。」と話してました。
大きめに刺された焼鳥と唐揚げが大きくて有名なんだそうで、それを一番楽しみにしていたんですけど、
実際にはそのどちらも注文してないんですよね。

今更だけど食べておけばよかったと思ってはいるんですけど、もの凄い数の日本酒の品揃えと
創作系の気になるネーミングの一品ものがたくさんありすぎて、肝心なものを頼んでなかったんです。

ユウスケが早くも日本酒を注文したんで、自分も燗上がりする事で有名な大七のぬる燗をもらいます。

じわーッと口の中に広がる日本酒の丸さを感じながら、しみじみ「旨いっ!」と声が出ます。
店の中央には立ち飲み用のカウンターも設置されていて、若いカップルが立ちながら日本酒を
いくつも酌み交わしている姿も新鮮でしたね。

鶴岡も城下町で酒処ですけど、ここまで若い人たちが「ごく自然に」日本酒を飲んでる姿を
自分は見たことがありません。

旨いと言われる酒をちょこっと飲んで「わぁ、おいし~」なんてシーンはよく見ますけど、
普通にビールでも飲むかのようにサラリと会話を楽しみながら酒を酌み交わしているんですよね。
しかも店内のあちらこちらでですから。

日本酒ファンが飲むというよりも、普段から居酒屋で日本酒を酌み交わす文化が
しっかりと根付いているのが分かります。
そういう風土というか土壌があるからこそ100本近い日本酒の品揃えが必要だということなんでしょう。
福島県内の地酒が約50銘柄、全国の日本酒が約50銘柄の豪華ラインナップですから(驚

山形の地酒のように、地元よりも東京などの中央マーケットを意識して出荷しているなかで、
地元での一般消費量が増えれば「地元の日本酒を地元で買えない。」などという今の状況も
変わってくるのかもしれませんけどね。

売ってないから飲まないのか。
飲まないから売らないのか。
山形の日本酒業界が抱える最大のテーマなのかもしれません。

ちなみに令和3酒造年度全国新酒鑑評会の金賞受賞蔵数の順位は

・1位 福島県:17蔵
・2位 秋田県:13蔵
・2位 兵庫県:13蔵
・4位 新潟県:12蔵
・4位 長野県:12蔵
・6位 山形県:11蔵
・7位 広島県:10蔵

で、福島県は9年連続で日本一の座に輝いているわけです。
より旨い日本酒を探求し、お互いが切磋琢磨し、地元で飲んで地産地消が成立する…
そこになにか大きなヒントがあるような気がします。

そしてメニューを見て驚いたのが、いわゆる甲類焼酎が見当たらないんです。
庄内は「爽」がどこにでもありますし、他の土地でも「鏡月」や「JINRO」なんかは
とりあえず置いてあったりするんですけどね。

あまり特徴のない甲類焼酎よりも飲むなら芋や麦や黒糖を、それよりも地元の美味い日本酒を飲む、
ということなんでしょうね。

焼鳥や唐揚げを頼むことを決して忘れていたわけではなく、たくさんの日本酒に合わせて
より旨さを引き立ててくれそうな一品を探しているうちに、口の中のモードが変わってしまって
頼めなかったというのが正直なところです。

じっくりと堪能したというよりも、圧倒されたという表現の方が的確でしょうね。
野球で言ったら5回コールドゲームみたいなもんです。

あっという間に満席になり、店内も慌ただしくなったきたところで次なるお店に移動します。

二軒目は、会津でも老舗の鮨屋「亀井鮨」さんへ。
店内には高校野球や地元シニアの集合写真がたくさん飾られていて、作新野球部OBの大将に
ご挨拶させてもらいました。

海なし地域の会津は鮨の旨いところとしても有名で、各店が独自ルートでネタを仕入れて
こだわりの握りを提供してくれます。

日本海の魚を食って育った自分でも、ひと口食べて旨い!とすぐに声が出ます。
厚く切られたネタとホロリとほどけるシャリとのバランスは、もう芸術品ですよ。
そこに福島の地酒ですもん、幸せすぎます。

カウンターには、息子さんが山形で高校球児だったというお客様もいらしたりして、
時間が許すなら高校野球ネタであと5時間くらいはいれたと思います(笑

でもね、ここまでウーロンハイも飲まずして、ずっと日本酒ですからね。
当然のことながら、ちょっとづつ崩壊していきます。

「あ、馬刺しを食べてない!」などと、思い出さなくていいことは急に思い出します。
というわけで、海なし会津の最高に旨い鮨を堪能して、次は「馬刺し」を目指して彷徨います。

もちろん千鳥足×2 + シラフ×1で。



つづく。



コメント

1. 日本酒

地元でどの銘柄も普通に買えるようになれば、とりあえず買わなくてもラベルは目にとまるようになります。
見かけた酒を、酒場で飲んでみるかなってのはあると思うし、その積み重ねで地元以外の人にも勧められるようになります。

山形は自分の売り方がイマイチなんだよなぁ。

てか、日本酒をこのくらいのラインナップする酒場は欲しいです。
タラも今なら刺し身で食べられますし。
それと他とは違い秋が旬のサワラ。
東京では庄内のサワラとタラは超有名です。
名物にするべき。

さて、馬刺しはどうなるのか(笑)
福島のお酒が飲みたい〜

2. 無題

この酒のラインナップ、凄いですね!!

3. >しんさん

>山形は自分の売り方がイマイチ・・・

まさに、その通りだと思いますね。
「おいしい庄内空港」なんてネーミングも抽象的過ぎて
むしろわけわからん状態ですもんね。

福島の酒、旨かったですよ!
國権、名倉山、末廣、大七と、あえて飛露喜や写楽を外して飲んできました。

ひやでよし、ぬる燗でよし。
気取らず飲めるところが、また楽し。

4. >エスコバーさん

表が福島のお酒で、裏が全国のお酒でした。
数えただけでも約100銘柄はありましたからバックヤードは大変ですよね。

旨い酒がたくさんありすぎちゃって困った困った!!
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